ようやく最終回。
前回、春日という尊い犠牲を払いながらも幽霊(レネゲイドビーイング)が操る巨人を打倒することができた一同。任務完了の一報を受けたUGN井出地支部は戦場となった学校の復元を急いだ。巨人を構成していた廃材はすべて何事もなかったように元に戻されていた。しかし瓦礫をすべて始末したあとも春日の姿は発見されなかった。次の登校日にUGNの手引きで最高の疑いも晴れ、一連の幽霊騒ぎも終わりを迎えた。同時に帳教諭が一身上の都合で退職したということも知らされた。
戦いが終わって数日後。またいつもの朝がやってきた。登校する生徒たちに混じって学校までの道のりを飯上とライアは歩いていた。
ライア「みすぼらしい身なりで着いてこないでくれるかしら。」
飯上「あ?たまたま方向が一緒なんだよ。」
朝から喧嘩が起こりそうな二人だったが、そんな二人を一人の男が待ち構えていた。二人が目をやるとそこには白いスーツにところどころを包帯でぐるぐる巻きにされている春日の姿であった。春日は煙草を吸いながら睨むように二人の前に立ちはだかっていた。
飯上「ざっこwwなんだその格好は。」
春日「うるせぇ!お前らに協力してやったんだ。少しはありがたく思え。」
ライア「あら?自分で突攻していったように見えたけど?」
春日「やかましい!お前らの顔なんか見るのもうんざりだ。ただ……その、なんだ、短期間の潜入任務とはいえ自分が属していた学校だ。俺が教えた生徒(ガキ)どもによろしく伝えておけ。」
飯上・ライア「……。」
そんな春日の横を学園の女子生徒が通り過ぎる。女子生徒は口々に「帳先生、なんで辞めちゃったの。」、「私、先生の授業好きだったのに。」と話す。泣いている生徒までいた。春日は懐から自分が帳となっていた時に着ていたピンクのセーターを取り出す。まるでもうひとりの自分を見るように。
女子生徒A「あ、何、あのオッサン。セーターなんか見つめて気持ち悪い。」
女子生徒B「本当だ。包帯まで巻いて気味悪い。行こ、行こ。」
女子生徒は春日の不気味な姿を見ると一目散に学校の方へ走って行ってしまった。それを見た春日はセーターを引きちぎり、地面に叩きつけると何処へと走り去ってしまった。残された飯上とライアはその姿をただただ哀れみを帯びた視線で見送ることしかできなかった。
時間は経ち、最高は再び不知火を機械工学部の作業場に招待していた。作業場には以前もみた四足歩行のロボットの他に小さな動物を模したロボットまで作られていた。
最高「今回はお前らに助けてもらって本当に感謝しているよ。ありがとう。」
不知火「まぁ、いつか然るべき時に貸しは返してもらうよ。」
最高「はは、そう言うと思ってな。お前に是非乗って欲しいロボットがあるんだ。見てくれ。」
そう言いながら最高は白い布が掛かっていたロボットをお披露目とばかりに不知火に見せた。見ると肉抜きされた巨大なミニ四駆のようだった。とても速そうですね。
最高「後輩たちがゴーカートの要領で作ったんだが性能テストをしてほしいと頼まれてね。一緒に乗ってみないか?」
不知火「いや、俺はいいよ。」
最高「遠慮するなって、大丈夫、大丈夫だって。」
不知火「……しょうがねぇな。」
最高は不知火を助手席に乗せるとアクセルを思い切り踏み込んだ。思い切り走り出す車。一瞬で二人の姿は車両ごと見えなくなった。(本来はここまでの展開までだったのですがこの後、不知火は元来の強靭な肉体で衝突から守られ、最高は保健室に直行しました)
さらに時は過ぎて文化祭当日。そこにはタピオカ&クレープ屋を切り盛りする張須たちの姿があった。
蒼井「思ったより忙しいね。やっぱり早戸さんの黒蜜は大成功だね。」
早戸「本当、ここまで人気が出るとは思わなかったわ。」
屋台で作業をする一同。隣では慣れた手つきでクレープを焼く不知火の姿もある。大勢の来客で賑わう中、張須は屋台に向かってくる初老の男性の姿を見つけた。
保須田「やぁ、みんな。楽しんでいるかね?」
張須・早戸「保須田さん!」
保須田は他の客に混ざりながら一同の様子を見に来ていた。保須田の姿に気づいた蒼井が注文を受けると彼はタピオカを注文し受け取る。
保須田「見てごらん。これが君たちが守ったものだ。皆で一致団結して盛り上げる、楽しむ。これ以上に素晴らしいことはない。」
タピオカを口にしながら保須田は感慨深げに語る。
保須田「みんなで楽しみを共有する。これからの人生、君たちにも多くの楽しみが……。」
不知火「へい、クレープお待ち。」
語りが止まらない保須田の口に不知火は出来立てのクレープを突っ込む。保須田はまだ続けいてたが最早、何を言っているかは聞き取れなかった。そしてクレープを食べながらまた人ごみの中に消えていった。
蒼井「今の人、私たちのこと褒めてくれてたのかな?みんなで頑張ってよかったね。」
張須「そうだね。みんなで頑張った甲斐があるよ。」
蒼井「ねぇねぇ、高校卒業したら、みんなでタピオカ屋を開いてみない?」
張須・不知火・早戸「え……?」
暫しの沈黙を一同の間に流れる。しかしその沈黙もまた彼らの商品を求めてくる客の声に破られる。「いらっしゃいませ!」彼らのはつらつとした声が秋空に響いた。
終わり
とりあえずリプレイ終了です。便宜上、伝わりやすいように表現変えたりは許してほしい。また今度、今回のシナリオの反省などを書いていきたいと思います。参加してれた皆様、このリプレイを読んでくださった皆様、ありがとうございました。
前回、春日という尊い犠牲を払いながらも幽霊(レネゲイドビーイング)が操る巨人を打倒することができた一同。任務完了の一報を受けたUGN井出地支部は戦場となった学校の復元を急いだ。巨人を構成していた廃材はすべて何事もなかったように元に戻されていた。しかし瓦礫をすべて始末したあとも春日の姿は発見されなかった。次の登校日にUGNの手引きで最高の疑いも晴れ、一連の幽霊騒ぎも終わりを迎えた。同時に帳教諭が一身上の都合で退職したということも知らされた。
戦いが終わって数日後。またいつもの朝がやってきた。登校する生徒たちに混じって学校までの道のりを飯上とライアは歩いていた。
ライア「みすぼらしい身なりで着いてこないでくれるかしら。」
飯上「あ?たまたま方向が一緒なんだよ。」
朝から喧嘩が起こりそうな二人だったが、そんな二人を一人の男が待ち構えていた。二人が目をやるとそこには白いスーツにところどころを包帯でぐるぐる巻きにされている春日の姿であった。春日は煙草を吸いながら睨むように二人の前に立ちはだかっていた。
飯上「ざっこwwなんだその格好は。」
春日「うるせぇ!お前らに協力してやったんだ。少しはありがたく思え。」
ライア「あら?自分で突攻していったように見えたけど?」
春日「やかましい!お前らの顔なんか見るのもうんざりだ。ただ……その、なんだ、短期間の潜入任務とはいえ自分が属していた学校だ。俺が教えた生徒(ガキ)どもによろしく伝えておけ。」
飯上・ライア「……。」
そんな春日の横を学園の女子生徒が通り過ぎる。女子生徒は口々に「帳先生、なんで辞めちゃったの。」、「私、先生の授業好きだったのに。」と話す。泣いている生徒までいた。春日は懐から自分が帳となっていた時に着ていたピンクのセーターを取り出す。まるでもうひとりの自分を見るように。
女子生徒A「あ、何、あのオッサン。セーターなんか見つめて気持ち悪い。」
女子生徒B「本当だ。包帯まで巻いて気味悪い。行こ、行こ。」
女子生徒は春日の不気味な姿を見ると一目散に学校の方へ走って行ってしまった。それを見た春日はセーターを引きちぎり、地面に叩きつけると何処へと走り去ってしまった。残された飯上とライアはその姿をただただ哀れみを帯びた視線で見送ることしかできなかった。
時間は経ち、最高は再び不知火を機械工学部の作業場に招待していた。作業場には以前もみた四足歩行のロボットの他に小さな動物を模したロボットまで作られていた。
最高「今回はお前らに助けてもらって本当に感謝しているよ。ありがとう。」
不知火「まぁ、いつか然るべき時に貸しは返してもらうよ。」
最高「はは、そう言うと思ってな。お前に是非乗って欲しいロボットがあるんだ。見てくれ。」
そう言いながら最高は白い布が掛かっていたロボットをお披露目とばかりに不知火に見せた。見ると肉抜きされた巨大なミニ四駆のようだった。とても速そうですね。
最高「後輩たちがゴーカートの要領で作ったんだが性能テストをしてほしいと頼まれてね。一緒に乗ってみないか?」
不知火「いや、俺はいいよ。」
最高「遠慮するなって、大丈夫、大丈夫だって。」
不知火「……しょうがねぇな。」
最高は不知火を助手席に乗せるとアクセルを思い切り踏み込んだ。思い切り走り出す車。一瞬で二人の姿は車両ごと見えなくなった。(本来はここまでの展開までだったのですがこの後、不知火は元来の強靭な肉体で衝突から守られ、最高は保健室に直行しました)
さらに時は過ぎて文化祭当日。そこにはタピオカ&クレープ屋を切り盛りする張須たちの姿があった。
蒼井「思ったより忙しいね。やっぱり早戸さんの黒蜜は大成功だね。」
早戸「本当、ここまで人気が出るとは思わなかったわ。」
屋台で作業をする一同。隣では慣れた手つきでクレープを焼く不知火の姿もある。大勢の来客で賑わう中、張須は屋台に向かってくる初老の男性の姿を見つけた。
保須田「やぁ、みんな。楽しんでいるかね?」
張須・早戸「保須田さん!」
保須田は他の客に混ざりながら一同の様子を見に来ていた。保須田の姿に気づいた蒼井が注文を受けると彼はタピオカを注文し受け取る。
保須田「見てごらん。これが君たちが守ったものだ。皆で一致団結して盛り上げる、楽しむ。これ以上に素晴らしいことはない。」
タピオカを口にしながら保須田は感慨深げに語る。
保須田「みんなで楽しみを共有する。これからの人生、君たちにも多くの楽しみが……。」
不知火「へい、クレープお待ち。」
語りが止まらない保須田の口に不知火は出来立てのクレープを突っ込む。保須田はまだ続けいてたが最早、何を言っているかは聞き取れなかった。そしてクレープを食べながらまた人ごみの中に消えていった。
蒼井「今の人、私たちのこと褒めてくれてたのかな?みんなで頑張ってよかったね。」
張須「そうだね。みんなで頑張った甲斐があるよ。」
蒼井「ねぇねぇ、高校卒業したら、みんなでタピオカ屋を開いてみない?」
張須・不知火・早戸「え……?」
暫しの沈黙を一同の間に流れる。しかしその沈黙もまた彼らの商品を求めてくる客の声に破られる。「いらっしゃいませ!」彼らのはつらつとした声が秋空に響いた。
終わり
とりあえずリプレイ終了です。便宜上、伝わりやすいように表現変えたりは許してほしい。また今度、今回のシナリオの反省などを書いていきたいと思います。参加してれた皆様、このリプレイを読んでくださった皆様、ありがとうございました。
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