どうも。前回はついに主人公である子嚢崎がオーヴァードに覚醒しました。敵だけでは飽き足らず味方にまで噛み付くどヤンキー系主人公はこの後どんな活躍をするのか。描写していきたいと思います。
・癖の強い奴ら(全員登場パート)
前回、謎の世紀末チンピラに重い一撃をもらってしまった子嚢崎。彼はそのまま気を失ってしまった。目が覚めるとそこは我が家、さすがにそんな都合のいい展開ではなかった。見渡したところ自分が知ってる場所ではない。置かれている道具から察するに医務室かどこかのようだ。
「気がついた?」
声が聞こえた方を向くとそこには見慣れた同級生と白衣に身を包んだ東洋人が彼が横たわるベッド横で佇んでいた。声の主は御井だったが隣の東洋人にも彼は見覚えがあった。
子嚢崎「ちゃんミイ!それに……陽先生!」
「久しぶりだね、子嚢崎くん。元気にしていたかい?もっとも、治療後に言うセリフでもないか。」
先生と呼ばれた白衣の男、陽はどこかシニカルな笑みを浮かべながらそう言った。思わぬ再会に子嚢崎も思わず先の出来事など忘れてかつてのことを思い出していた。
子嚢崎「あの時以来ですね。姉ちゃんのことでは世話になりました。」
陽「いいんだ。それに私も礼を言われるような立場ではないさ。」
謙遜したような態度の陽の言葉に子嚢崎は昔のことを思い出していた。陽と初めて会った時のこと。子嚢崎の姉・七苗が病魔に倒れた時のことだった。もう峠を越えられないかもしれない。そんな時に子嚢崎は病院に呼び出された。
陽「子嚢崎くん。お姉さんは現代の医学では治療できない難病に罹患しているようだ。私も最善を尽くしたのだが……すまない。」
子嚢崎「……。」
陽「お姉さんが呼んでいる。最後になるかもしれない。会ってあげなさい。」
陽はそう言って子嚢崎を姉がいる病室に行くように促す。ところが子嚢崎は言葉を発することもなく踵を返してしまった。あまりにも見当違いな行動に思わず陽は彼の肩を掴んで引き止める。
陽「どこへ行くんだい?今、お姉さんのところ以外に行くところなどあるかね?」
子嚢崎「もういいんだよ。姉ちゃんは助からねぇんだろ。」
陽「そう思うなら、最後に唯一の家族である君の顔を見せてあげなさい。」
子嚢崎「うるせぇ!あんたには関係ねぇだろ!」
陽「馬鹿野郎!」
(頬を殴る音)
子嚢崎「……ここまで姉ちゃんを困らせてきた俺に、姉ちゃんにどんな面見せりゃいいんだよ……。」
陽「どんな面でもいい。そこまで大切に思う存在だった君の顔を、見せてあげなさい。」
子嚢崎は陽の言葉を受けて昔のことを思い出していた。(回想の回想)
両親が亡くなった時のことや道を外した時も気にかけてくれていた姉の姿を。
子嚢崎「……先生、ありがとうよ。」
そう言って子嚢崎は走り出した。姉が待つ病室へ。その一件以降は連絡をとることこそなかったが子嚢崎はその時の恩義を忘れることがなかった。回想が終わると子嚢崎はふと現状のことを思い出す。
子嚢崎「そういえば、なんで陽先生がここに?ってか、ここは一体どこなんだよ?」
荒坊「そのことについては俺たちから説明しよう。」
子嚢崎の言葉に返しながら部屋に入ってきたのは荒坊だった。彼はタイミングを見計らったかのように一同のもとに訪れた。
子嚢崎「あ?誰だ手前ぇは?」
荒坊「うっ!お、俺は荒坊ってんだ。うちのお偉いさんがお前を呼んでんだ、とにかくみんな来てくれよ。」
荒坊を威嚇しつつ、一同は促されるまま広間に通された。扉には会議室と書かれている。中に入ると囲い型になっている長机に椅子が用意されていた。他の席には明神、古戸、夜華、そして国生の姿もあった。一同は用意された席に適当に座った。子嚢崎は丁度空いていたので国生の隣に座ることにした。
明神「ようこそ、子嚢崎くん。我らがUGN神河支部へ。私はここの元支部長の明神だ。もっとも今は東京支部が私の職場だがね。」
子嚢崎「……あ?誰だよ、オッサン。」
明神「今自己紹介してたな?」
何も知らない子嚢崎に明神たちはレネゲイドウイルス、オーヴァード、、UGN、FHの存在などを事細かに説明した。子嚢崎も噂話程度には聞いたことがあるが漫画の中のような話がまさか自分自身にも降りかかってくるとは思いもよらなかった。しかし不思議となんとなくだが一連の話を聞いて状況は察した。(GM指示)
明神「そういうわけだ。能力に目覚め、オーヴァードとなった以上は我々UGNの監視下に置かれることとなる。我々としても今は仲間が増えることはありがたい。君がよければ、我々の仲間にならないか?君の力、悪いようにはしない。」(ここ主人公を勧誘するロールをちゃんと考えてなかったので反省点ですね)
子嚢崎「ここで働くってことはよ、賃金も支給されるのか?」
明神「もちろんだ。支部のものであれば設備も自由に使って構わないぞ。」
子嚢崎「(これから特にやることも決めてないし)しょうがねぇな、協力してやるよ。」
かくして子嚢崎はUGNチルドレンというもうひとつの顔を手に入れることになったのだった。ここにきての増員に神河支部のメンバーの表情も明るい。
古戸「支部長の古戸だ。これからよろしく頼むよ、子嚢崎くん。」
子嚢崎「あ?誰だ……(以下略)」
子嚢崎の顔合わせが一通り終わると再び明神が口を開いた。
明神「エージェントになったとなればコードネームが必要だな。何かいいものがあるかどうか……。」
子嚢崎「コードネーム?なんだそりゃ?」
荒坊「まぁ任務をこなすうえでの二つ名みたいなもんだよ。」
子嚢崎「は?お前ら全員そんなガキみてぇなことしてるのか?」
国生「まぁそう言うな。俺もはじめは戸惑ったが、段々気にならなくなるもんだ。」
抵抗の姿勢を見せる子嚢崎に隣に座る国生がボソボソと助言をした。そうこうしているうちに明神は思案を巡らせながらひとつの案を打ち出した。
明神「うーむ、火炎舌なんてどうだ?」
子嚢崎「は?嫌だよ、そんなダセぇの。」
明神「そうか。言われてみれば君はサラマンダーではないようだし、他の方がいいか。」
せんさん「なんで知ってるのにこれ提案したんだよ。」
「まぁ後で考えればいいのでは?」という古戸の意見もあり、子嚢崎のコードネームは一旦、見送られることになった。続いて国生の紹介が始まる。
明神「紹介が遅れたが彼も新しく我々の仲間となってくれた国生くんだ。雲宮くんの紹介だから腕は確かだろう。」
国生「あぁ。FHにはちょいとムカつく奴がいてねぇ。そいつをぶちのめせるなら好都合だ。」
明神「そうか。では君にもコードネームだな。ん?君には既に悪魔の眷属(リトルデーモン)というコードネームがあるようだな。」
国生「それはもう俺にとっては過去の遺物だ。新しく改名させてもらうぜ。ちなみに俺の能力は……。」
そう言って国生は自分の腕から血液を流れさせ、その血で龍の形を作ってみせた。彼の能力の熟練度の高さを示す芸当であろう。
明神「そうか、それでは……火炎舌なんてどうだ?」
PL一同「大好きかよww」
なぜか火炎舌というコードネームに執着する明神であったが能力にも相応しいということで血染めの龍(ドラクレア)という鞘に収まった。そこからは今後の任務についての説明が始まった。(本編では触れられてなかったのですが、陽はこの任務説明のために神河支部に来ていたところにたまたま子嚢崎が担ぎ込まれその場にいた陽(医者)が治療にあたったという格好です)
明神「君たちには明日から原江家の人々の護衛任務についてもらう。FHの狙いは恐らく原江教授本人でないかと思われる。諸君には泊まり込みで警備にあたってもらう。ちなみにUGNとも協力関係にある縁粕グループの御曹司である高潔氏が先んじて警備にあたっている。皆にも是非、協力してほしい。」
縁粕の名前を聞いてまた古戸は胃が痛くなりそうだった。しかし警備にあたるにしても原江家についてもFHについても情報が少なすぎる。そこで彼らは先に別口で依頼を受けていた探偵の左にも連絡をとり、情報を集めることにした。
・情報収集パートⅠ
A、原江家について
B、ファルスハーツの戦力についてⅠ
C、リスティックの研究について
D、縁粕 高潔について
E、今田 憲太郎について
実際の情報収集では援護の風とか、要人への貸しとかダイスを精神に置き換えたりとかでほぼすべてクリティカルで開けてたはず。今回、なるだけ情報開示する方向にしたかったから方向性としてはよかったけどそれにしても難易度が温すぎたかなと。一応、はずれ枠としてEを設けました。以下は得られた情報。
A
原江家は三人家族。原江 袁児教授は数年前に新エネルギー物質、「リスティック」に関する研究で名声を得た科学者である。現在は研究に専念するために人里離れた場所に邸宅をかまえて生活をしている。妻の瑠奈は慈善家としてその世界では有名である。一人娘である真魚はごく一般的な高校生。身辺調査を行っていたがこれといって目立った報告はあがっていない。
B
今回の抗争にあたってファルスハーツも春日を使って各地から幹部クラスのオーヴァードを集めているらしい。まず、真魚や子嚢崎を襲撃したチームのリーダー、赤見土 野伴(あかみど やばん)。彼は神河市の隣の市にある坊堂高校の卒業生で学生の頃から札付きのワルとして名が通っていた。その頃から奴もオーヴァードではないかと噂されていた。恐らく春日がそれに目をつけたのだろう。
もう一人は名うての盗賊として知られている鬼佐貫 常軌(きさぬき じょうき)だ。奴はまるで手品でも見せるかのように相手を惑わせ、その隙に獲物をかっさらってしまう怪盗だ。詳細な情報は知られていないが手口からして十中八九、こいつもオーヴァードだろう。赤見土と同じで春日にスカウトされた可能性が高い。
C
リスティックとは原江教授が発見した新エネルギーのことである。しかし供給が不安定であり、今後の発展、応用が期待されている。
しかしながら論文の中身は重厚なもので並みの科学者ではとても一人ではまとめられるものではないとされている。その功績が原江教授の今日に繋がっているのだろう。
D
縁粕 高潔は大企業、縁粕グループの御曹司の一人だ。彼は主に製薬会社や病院への資金援助を行っており、自らも製薬会社や研究所を抱えている人物だ。この神河支部にも資金援助を行っていただいているのだが、援助に対する見返りの要求が強く、評判はあまり良いものではない。
過去に原江教授に資金援助をしていた過去もあり、今回もその時のよしみもあって高潔自ら警護を買って出たそうだ。
E
今田 憲太郎は原江教授が現在の邸宅に住まうにあたって雇った執事だ。主に真魚の身の回りの世話を担当しており、原江家の人々からの信頼も厚いようだ。
ちなみに彼がオーヴァードではないことは確認済みだ。
明神「原江教授の邸宅は神河市を南に行った雲帯岳の中腹にある。途中、険しい山道が続くので明日は私が化学技術班が開発した特殊車両を手配しよう。それまでに各自、準備をしておくように。」
こうして怒涛の時間は流れていった。この任務で神河支部に待ち受けている困難とは何か?FHの目的はなんなのか?謎を抱えたまま彼らは助けを求める者のもとへ、戦地へと向かうのであった。
to be continued...
・癖の強い奴ら(全員登場パート)
前回、謎の世紀末チンピラに重い一撃をもらってしまった子嚢崎。彼はそのまま気を失ってしまった。目が覚めるとそこは我が家、さすがにそんな都合のいい展開ではなかった。見渡したところ自分が知ってる場所ではない。置かれている道具から察するに医務室かどこかのようだ。
「気がついた?」
声が聞こえた方を向くとそこには見慣れた同級生と白衣に身を包んだ東洋人が彼が横たわるベッド横で佇んでいた。声の主は御井だったが隣の東洋人にも彼は見覚えがあった。
子嚢崎「ちゃんミイ!それに……陽先生!」
「久しぶりだね、子嚢崎くん。元気にしていたかい?もっとも、治療後に言うセリフでもないか。」
先生と呼ばれた白衣の男、陽はどこかシニカルな笑みを浮かべながらそう言った。思わぬ再会に子嚢崎も思わず先の出来事など忘れてかつてのことを思い出していた。
子嚢崎「あの時以来ですね。姉ちゃんのことでは世話になりました。」
陽「いいんだ。それに私も礼を言われるような立場ではないさ。」
謙遜したような態度の陽の言葉に子嚢崎は昔のことを思い出していた。陽と初めて会った時のこと。子嚢崎の姉・七苗が病魔に倒れた時のことだった。もう峠を越えられないかもしれない。そんな時に子嚢崎は病院に呼び出された。
陽「子嚢崎くん。お姉さんは現代の医学では治療できない難病に罹患しているようだ。私も最善を尽くしたのだが……すまない。」
子嚢崎「……。」
陽「お姉さんが呼んでいる。最後になるかもしれない。会ってあげなさい。」
陽はそう言って子嚢崎を姉がいる病室に行くように促す。ところが子嚢崎は言葉を発することもなく踵を返してしまった。あまりにも見当違いな行動に思わず陽は彼の肩を掴んで引き止める。
陽「どこへ行くんだい?今、お姉さんのところ以外に行くところなどあるかね?」
子嚢崎「もういいんだよ。姉ちゃんは助からねぇんだろ。」
陽「そう思うなら、最後に唯一の家族である君の顔を見せてあげなさい。」
子嚢崎「うるせぇ!あんたには関係ねぇだろ!」
陽「馬鹿野郎!」
(頬を殴る音)
子嚢崎「……ここまで姉ちゃんを困らせてきた俺に、姉ちゃんにどんな面見せりゃいいんだよ……。」
陽「どんな面でもいい。そこまで大切に思う存在だった君の顔を、見せてあげなさい。」
子嚢崎は陽の言葉を受けて昔のことを思い出していた。(回想の回想)
両親が亡くなった時のことや道を外した時も気にかけてくれていた姉の姿を。
子嚢崎「……先生、ありがとうよ。」
そう言って子嚢崎は走り出した。姉が待つ病室へ。その一件以降は連絡をとることこそなかったが子嚢崎はその時の恩義を忘れることがなかった。回想が終わると子嚢崎はふと現状のことを思い出す。
子嚢崎「そういえば、なんで陽先生がここに?ってか、ここは一体どこなんだよ?」
荒坊「そのことについては俺たちから説明しよう。」
子嚢崎の言葉に返しながら部屋に入ってきたのは荒坊だった。彼はタイミングを見計らったかのように一同のもとに訪れた。
子嚢崎「あ?誰だ手前ぇは?」
荒坊「うっ!お、俺は荒坊ってんだ。うちのお偉いさんがお前を呼んでんだ、とにかくみんな来てくれよ。」
荒坊を威嚇しつつ、一同は促されるまま広間に通された。扉には会議室と書かれている。中に入ると囲い型になっている長机に椅子が用意されていた。他の席には明神、古戸、夜華、そして国生の姿もあった。一同は用意された席に適当に座った。子嚢崎は丁度空いていたので国生の隣に座ることにした。
明神「ようこそ、子嚢崎くん。我らがUGN神河支部へ。私はここの元支部長の明神だ。もっとも今は東京支部が私の職場だがね。」
子嚢崎「……あ?誰だよ、オッサン。」
明神「今自己紹介してたな?」
何も知らない子嚢崎に明神たちはレネゲイドウイルス、オーヴァード、、UGN、FHの存在などを事細かに説明した。子嚢崎も噂話程度には聞いたことがあるが漫画の中のような話がまさか自分自身にも降りかかってくるとは思いもよらなかった。しかし不思議となんとなくだが一連の話を聞いて状況は察した。(GM指示)
明神「そういうわけだ。能力に目覚め、オーヴァードとなった以上は我々UGNの監視下に置かれることとなる。我々としても今は仲間が増えることはありがたい。君がよければ、我々の仲間にならないか?君の力、悪いようにはしない。」(ここ主人公を勧誘するロールをちゃんと考えてなかったので反省点ですね)
子嚢崎「ここで働くってことはよ、賃金も支給されるのか?」
明神「もちろんだ。支部のものであれば設備も自由に使って構わないぞ。」
子嚢崎「(これから特にやることも決めてないし)しょうがねぇな、協力してやるよ。」
かくして子嚢崎はUGNチルドレンというもうひとつの顔を手に入れることになったのだった。ここにきての増員に神河支部のメンバーの表情も明るい。
古戸「支部長の古戸だ。これからよろしく頼むよ、子嚢崎くん。」
子嚢崎「あ?誰だ……(以下略)」
子嚢崎の顔合わせが一通り終わると再び明神が口を開いた。
明神「エージェントになったとなればコードネームが必要だな。何かいいものがあるかどうか……。」
子嚢崎「コードネーム?なんだそりゃ?」
荒坊「まぁ任務をこなすうえでの二つ名みたいなもんだよ。」
子嚢崎「は?お前ら全員そんなガキみてぇなことしてるのか?」
国生「まぁそう言うな。俺もはじめは戸惑ったが、段々気にならなくなるもんだ。」
抵抗の姿勢を見せる子嚢崎に隣に座る国生がボソボソと助言をした。そうこうしているうちに明神は思案を巡らせながらひとつの案を打ち出した。
明神「うーむ、火炎舌なんてどうだ?」
子嚢崎「は?嫌だよ、そんなダセぇの。」
明神「そうか。言われてみれば君はサラマンダーではないようだし、他の方がいいか。」
せんさん「なんで知ってるのにこれ提案したんだよ。」
「まぁ後で考えればいいのでは?」という古戸の意見もあり、子嚢崎のコードネームは一旦、見送られることになった。続いて国生の紹介が始まる。
明神「紹介が遅れたが彼も新しく我々の仲間となってくれた国生くんだ。雲宮くんの紹介だから腕は確かだろう。」
国生「あぁ。FHにはちょいとムカつく奴がいてねぇ。そいつをぶちのめせるなら好都合だ。」
明神「そうか。では君にもコードネームだな。ん?君には既に悪魔の眷属(リトルデーモン)というコードネームがあるようだな。」
国生「それはもう俺にとっては過去の遺物だ。新しく改名させてもらうぜ。ちなみに俺の能力は……。」
そう言って国生は自分の腕から血液を流れさせ、その血で龍の形を作ってみせた。彼の能力の熟練度の高さを示す芸当であろう。
明神「そうか、それでは……火炎舌なんてどうだ?」
PL一同「大好きかよww」
なぜか火炎舌というコードネームに執着する明神であったが能力にも相応しいということで血染めの龍(ドラクレア)という鞘に収まった。そこからは今後の任務についての説明が始まった。(本編では触れられてなかったのですが、陽はこの任務説明のために神河支部に来ていたところにたまたま子嚢崎が担ぎ込まれその場にいた陽(医者)が治療にあたったという格好です)
明神「君たちには明日から原江家の人々の護衛任務についてもらう。FHの狙いは恐らく原江教授本人でないかと思われる。諸君には泊まり込みで警備にあたってもらう。ちなみにUGNとも協力関係にある縁粕グループの御曹司である高潔氏が先んじて警備にあたっている。皆にも是非、協力してほしい。」
縁粕の名前を聞いてまた古戸は胃が痛くなりそうだった。しかし警備にあたるにしても原江家についてもFHについても情報が少なすぎる。そこで彼らは先に別口で依頼を受けていた探偵の左にも連絡をとり、情報を集めることにした。
・情報収集パートⅠ
A、原江家について
B、ファルスハーツの戦力についてⅠ
C、リスティックの研究について
D、縁粕 高潔について
E、今田 憲太郎について
実際の情報収集では援護の風とか、要人への貸しとかダイスを精神に置き換えたりとかでほぼすべてクリティカルで開けてたはず。今回、なるだけ情報開示する方向にしたかったから方向性としてはよかったけどそれにしても難易度が温すぎたかなと。一応、はずれ枠としてEを設けました。以下は得られた情報。
A
原江家は三人家族。原江 袁児教授は数年前に新エネルギー物質、「リスティック」に関する研究で名声を得た科学者である。現在は研究に専念するために人里離れた場所に邸宅をかまえて生活をしている。妻の瑠奈は慈善家としてその世界では有名である。一人娘である真魚はごく一般的な高校生。身辺調査を行っていたがこれといって目立った報告はあがっていない。
B
今回の抗争にあたってファルスハーツも春日を使って各地から幹部クラスのオーヴァードを集めているらしい。まず、真魚や子嚢崎を襲撃したチームのリーダー、赤見土 野伴(あかみど やばん)。彼は神河市の隣の市にある坊堂高校の卒業生で学生の頃から札付きのワルとして名が通っていた。その頃から奴もオーヴァードではないかと噂されていた。恐らく春日がそれに目をつけたのだろう。
もう一人は名うての盗賊として知られている鬼佐貫 常軌(きさぬき じょうき)だ。奴はまるで手品でも見せるかのように相手を惑わせ、その隙に獲物をかっさらってしまう怪盗だ。詳細な情報は知られていないが手口からして十中八九、こいつもオーヴァードだろう。赤見土と同じで春日にスカウトされた可能性が高い。
C
リスティックとは原江教授が発見した新エネルギーのことである。しかし供給が不安定であり、今後の発展、応用が期待されている。
しかしながら論文の中身は重厚なもので並みの科学者ではとても一人ではまとめられるものではないとされている。その功績が原江教授の今日に繋がっているのだろう。
D
縁粕 高潔は大企業、縁粕グループの御曹司の一人だ。彼は主に製薬会社や病院への資金援助を行っており、自らも製薬会社や研究所を抱えている人物だ。この神河支部にも資金援助を行っていただいているのだが、援助に対する見返りの要求が強く、評判はあまり良いものではない。
過去に原江教授に資金援助をしていた過去もあり、今回もその時のよしみもあって高潔自ら警護を買って出たそうだ。
E
今田 憲太郎は原江教授が現在の邸宅に住まうにあたって雇った執事だ。主に真魚の身の回りの世話を担当しており、原江家の人々からの信頼も厚いようだ。
ちなみに彼がオーヴァードではないことは確認済みだ。
明神「原江教授の邸宅は神河市を南に行った雲帯岳の中腹にある。途中、険しい山道が続くので明日は私が化学技術班が開発した特殊車両を手配しよう。それまでに各自、準備をしておくように。」
こうして怒涛の時間は流れていった。この任務で神河支部に待ち受けている困難とは何か?FHの目的はなんなのか?謎を抱えたまま彼らは助けを求める者のもとへ、戦地へと向かうのであった。
to be continued...
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